
先日、双極性障害の症状なのか自分自身の性格なのか判断をするのが難しい時があるという話を書いたのだが、そういう風に自分の心や体を細かくモニタリングして、おかしなところはないか、変化はないか、と気にしていることが、まるで自分が監視されているようで嫌になってしまった。
漫画には描かなかったけど、「監視していること」もものすごく嫌だ。
当たり前だと思うけど、監視されて暮らすことも監視して生きることもものすごく窮屈なんですよ。
その両方を自分自身でやっているわけだから、もうトイレの中で年中生活しているみたいに窮屈なわけ。
「モニタリング」することは必要なことだと思う。
でもそれが私の場合「監視」になってしまった。
ちょっと元気がないと「うつかも?」と思うし、ちょっと物事がスムーズに進むと「躁かも?」なんて思っていた時期があった。
それ自体は別になんてことないことなのだが、私は長年の双極性障害とのつきあいの中で、躁(軽躁)やうつの状態に対してマイナスの感情を抱いており、うつや躁になることに恐怖心を持っているのである。
だから「うつかも?」は、
「どうしよう、これからさきまた何か月もうつ状態が続くかもしれない」になるし、
「躁かも?」は
「どうしよう、私何かとんでもないことをやらかすかもしれない。人に迷惑をかけてしまう。」になってしまうのである。
そうしていると、「うつかも?」程度のことが我慢できず、「躁かも?」程度のことを許すこともできず、それじゃだめだ、お前は駄目だと責めるようになってしまった。
感情の上下なんて、誰にでもあること。当たり前にあることだから、普通はいちいち細かくチェックしないしジャッジもしない。
双極性障害であるばかりに、また躁転やうつ転をこわがるあまりに、こまかな気分の上下にも目を光らせ、ちょっといつもと違うなって状態になると「ほーら、うつ(躁)になってるじゃん!」なんて目ざとく(自分に)言われる。
まるで、家中の掃除をし終えた後に姑が箪笥の上指でぬぐって「あら、ホコリ」なんていいながら指にフッと息を吹きかけた時のような苛立ちを覚えるわけですよ!!!!!!
テメェ、ふざけんなよっっっっ………!!!!!!
外部から見たら、そのくらいの危機感を持って過ごしてくれた方が迷惑かけられないで済むわ、なんて思われるかもしれないが、そうしているとこちらは生きづらくて仕方がないわけです。
それにこんな些細なことを大げさに解釈して振り回される方がよっぽど気分の波を悪化させてしまうと思う。
ちょっとした変化など気に留めないで過ごした方がよっぽど寛解状態を維持できる。(と私は考えている。だいぶ波が落ち着いているからそう思うのかもしれない。)
では今後どうしたらいいか、という点においては実は何となく答えは見えていて、それはなにかというと「ジャッジをしないこと」だ。
「うつっぽいな。」で終了。
「躁っぽいな。」で終了。
「本格的な気分の波の入り口かも…」とか、「ああ、もうどうしよう!!」「また大変なことになってしまうかも…」などというのは考えないことだ。
ただただ淡々と状態だけを把握し、いつも通り過ごす。
なぜなら、躁でもうつでもない状態で一番厄介なのが、この上乗せされた感情だからだ。
この上乗せされた感情は不安感を引き起こす。
そしてもっぱらうつを招く。
うつはさらに深いうつへ、躁はうつへと誘われる。
私が目指すのは寛解であり、たとえこれで躁転がふせげるとしても、うつになってたら全く意味がないのである。
これはダイエットに取り組んでいた時の感覚に近い。
毎日体重計に乗って、「500g減った!!」とか「300g増えた…」などと一喜一憂していると、まっっっったく痩せていかない。
というか、ダイエットに向かう気力すら削がれていく。
減らないストレスから食欲が増える。結果リバウンドする。
淡々と自分が決めたダイエットメニューをこなしていければ確実に減るのに、感情のせいで取り組めなくなどというのは本末転倒だ。
躁うつも同じように、今日はうつ傾向が強いとか躁傾向が強いとかを気にして一喜一憂するより、淡々と気分の波が大きくならないための取り組み(服薬や生活リズムなど)をこなすほうがいい。
短期的な気分の変化を消そうとしてもあまり意味がなく、長期的にみて大きな気分の変化が起きていないかを把握することが大切だ。
そのためのモニタリングであり、モニタリングした結果を記録しておいて、躁(軽躁)やうつの傾向が続くようであれば対処をするというくらいでいいのではないかと思っている。
そうやって監視感なく過ごせるようになったら、今よりもっと穏やかに暮らせるようになるだろうな。
そうなりたいね。
全然関係ないけど、最近お散歩する習慣をつけていて、歩いているとそこらじゅうで水仙が咲いていてきれいだな、という気持ちを込めて最後のコマに水仙描きました!
桜ももうそろそろですね。